林動物病院

〒411-0816 静岡県三島市梅名97-5

# 103 : 犬の脾臓摘出手術 / 【脾臓の腫瘍による腹部膨満】

今回の症例はトイプードル×ミニチュアダックスの10歳の去勢済の男の子です。

約1週間ほど前からお腹がふくらんできて、数日前からは食欲の低下も見られるようになったとのことで来院されました。

血液検査では貧血および強い炎症反応を認め、腹部エコー検査にて脾臓に大きな腫瘤(しゅりゅう)が確認されました。
腫瘤の破裂や出血の危険性が高いと判断し、緊急で脾臓摘出手術を実施しました。

脾臓摘出手術

下の写真は、手術中に腹腔内から脾臓を取り出しているところです。

摘出した脾臓です。
病理検査では脾臓の間質肉腫という悪性腫瘍でした。

術後は治療を続け、2日目からは食欲も回復してくれました。


まとめ

脾臓にできる腫瘤(できもの)は、良性の場合もあれば悪性腫瘍の場合もあります
内部で出血を起こすことが多く、破裂すると命に関わる危険もあります。

今回のように、「お腹がふくらんできた」「元気がない」「食欲が落ちている」といった変化が見られた場合は、
早めの受診・検査がとても大切です。

 

獣医師:林 敬明

この内容は2025年10月時点の情報です