林動物病院

〒411-0816 静岡県三島市梅名97-5

# 102 : 犬の大腿骨頭切除術 / 【股関節脱臼】

今回ご紹介する症例はトイプードルの子です。
自宅でのちょっとしたアクシデントの後から跛行が見られるようになり、来院されました。

レントゲン検査の結果、左の股関節が脱臼(赤丸)していることが分かりました。

なお、反対側の股関節は以前に脱臼を起こしており、他院にて大腿骨頭切除術(白丸)が行われていました。

股関節脱臼に対する治療にはいくつかの方法があります。

  • 整復してから外固定を行う方法
  • トグルピン法や人工靭帯を使って固定する方法
  • 大腿骨頭切除術
  • 人工関節を入れる方法

今回は、すでに反対側の手術歴があること、また体格や脱臼の状態を考慮して、左側も大腿骨頭切除術を行う方針としました。

大腿骨頭切除術

手術では、左大腿骨頭を切除し、術後のレントゲンでしっかりと確認(黄丸)できました。


まとめ

小型犬の股関節脱臼では、再脱臼してしまうことも多いため、安定化手術や大腿骨頭切除術が選択されることがあります。
この子の場合は、既往歴や体格を踏まえて両側ともに大腿骨頭切除術を選択しました。
術後はリハビリや筋肉の維持がとても大切で、しっかりケアすることで十分に生活の質を取り戻せる手術です。

 

獣医師:林 敬明

この内容は2025年9月時点の情報です