# 108 : 猫の手根関節固定術 / 【手首の脱臼】
4歳のマンチカンの猫ちゃんが約1mほどの高さから落下した後より、右前肢を挙上し、地面につけないとのことで来院されました。
■ 検査・診断
レントゲン検査を実施し、左右の手根関節を比較したところ、
右手根関節において関節の配列の乱れ(黄色丸)=脱臼が確認されました。

また触診により、外科的治療が必要と判断し、飼い主さんと相談した結果外科手術をさせて頂く事になりました。
そのうえで、手術時の麻酔下にストレス撮影(負荷をかけたレントゲン検査)を追加で行ったところ、右手根関節は正常側と比較して明らかに強い屈曲(赤色丸)が認められ、関節の高度な不安定性が確認されました。

以上より、右手根関節脱臼に伴う高度な関節不安定症と診断しました。
手根関節固定術
本症例では関節の安定性回復が困難と判断し、手根関節固定術を実施しました。
関節面の処理を行った上で、適切な角度で整復し、プレートによる内固定を行いました。

■ 術後経過
術後は患肢の接地も徐々に改善し、安定した歩行が可能となりました。
現在は疼痛も軽減し、日常生活に大きな支障なく経過しています。
■ まとめ
猫の手根関節脱臼は、外傷を契機に発生し、靭帯損傷を伴うことで関節の支持性が失われる疾患です。
軽度であれば外固定で管理できる場合もありますが、本症例のように明らかな不安定性や過屈曲が認められる場合には、手根関節固定術が有効な治療選択肢となります。
手根関節固定術は関節の可動性は失われますが、痛みを抑え、安定した歩行を取り戻すための有力な選択肢です。
早期に適切な診断と治療を行うことで、良好な予後が期待できます。
獣医師:林 敬明
本内容は2026年3月時点の情報です
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