# 40 : 犬の脛骨骨折整復術 / 【スネの骨折】
犬や猫の骨折の中でも脛骨(スネ)の骨折は比較的多く遭遇します。原因は、落下・転倒・交通事故などの外傷で起こります。
整形外科の観血的整復治療は、プレート ・ スクリュー ・ 金属のピンやワイヤーなどを使用して、骨折の種類や場所によって術式や使用するインプラントを決定して骨を固定します。
当院のプレート治療
当院では整復固定に LCPシステム Locking Compression Plate(SYNTHES社製)を使用しています。
従来のプレートはスクリューでプレートを骨に押し付けて固定していましたが、シンセス社のLCPシステムはロッキングスクリューとプレートをロックするので、プレートを骨に圧迫する必要がありません。そのため、骨癒合に必要な骨膜の血流を温存する事が可能です。
LCPはもともと人の骨粗鬆症用に開発されたプレートなので、従来のプレートより強固な固定が可能です。
脛骨骨折整復手術
今回の症例は4カ月齢のフレンチブルドックです。
術前の骨折のレントゲン写真です。黄丸が骨折部になります。腓骨の骨折は認められません。
術後のレントゲン写真です。今回はワイヤーとプレートで固定を行いました。
まとめ
脛骨の骨折は他の長骨より治癒が遅いという文献もあります。
脛骨の骨折は斜骨折および螺旋骨折が一般的と言われていますが、粉砕骨折も起こりやすく、正確に治療しないと癒合不全を起こす事があります。
骨折治療には様々な方法があるので、骨折した動物にとって最適な治療法を選択する必要があります。
獣医師:林 敬明
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