# 60 : 猫の子宮内膜過形成 / 【膀胱と結腸に癒着した子宮頚部】
今回の症例は食欲・元気がある4歳の猫ちゃんです。
術前の報告としては少し便が出づらいとの事でした。
卵巣・子宮(内膜過形成)摘出手術
開腹してみると腫大した子宮が確認されました。
手術を進めていくと、腫大した子宮頚部の腹側は膀胱と癒着(黄丸)していました。
また尿管の一部も癒着していたため、慎重に子宮頚部から癒着を剥がしていきます。
膀胱との癒着を無事に剥がした後に子宮頚部の背側を確認してみると、今度は結腸と癒着しています。
膀胱も結腸も大切な臓器なので丁寧に手術を進めていきます。
子宮頚部を膀胱と結腸から剥離した写真です。
子宮頚部を正常な部位まで露出させ、チタンクリップを使用しました。
摘出後の写真です。
膀胱と結腸は無事に温存でき、子宮頚部の根本もクリップ(黄丸)でしっかり止まっています。
摘出した卵巣と子宮です。病理検査では子宮内膜過形成でした。
術後は排便もスムーズになったとの事です。
まとめ
避妊をしていない猫ちゃんは性ホルモンの産生により今回のような子宮内膜過形成を引き起こす事があります。
出産を望まないのであれば適正な時期の避妊手術が勧められます。
獣医師:林 敬明
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