# 63 : 犬の子宮蓄膿症摘出術 / 【破裂した子宮蓄膿症】
犬の子宮蓄膿症については以前に『# 25 : 犬の子宮蓄膿症 / 【未避妊の多飲多尿には要注意】』で説明させて頂きました。
今回の子宮蓄膿症は子宮がお腹の中で破裂をして腹膜炎・敗血症・DICを起こしている状態で来院しました。
子宮蓄膿摘出手術
腹部を正中切開をし開腹してみると、出血と膿の臭いが漂ってきました。子宮の一部が破裂して、子宮内の膿がお腹の中に漏れ出てしまっています。卵巣と子宮を定法通り摘出をします。
腹膜炎を起こしていて、特に下行結腸から直腸(黄矢印)にかけて強い炎症が認められました。可能な限り腹腔内を洗浄してから閉腹しました。
術後の経過は良好で、無事に退院しくれました。この翌月には麻酔下でのスケーリングと皮下腫瘍の摘出手術も行いました。
まとめ
子宮蓄膿症は中年齢以降の避妊手術をしていないワンちゃんでよく起こる病気です。今回のように腹腔内で破裂してしまうと致死率が高いとても怖い疾患です。
子宮蓄膿症は避妊手術をするだけで予防できます。中年齢以降で発症しやすいので、たとえ避妊手術の適正時期を過ぎていても、健康な時に避妊手術を実施してあげる事をお勧めします。
獣医師:林 敬明
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