# 74 : 大腿骨頭切除術 / 【若い小型犬のビッコには要注意】
今回は大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病)のため骨頭切除を行った症例です。
大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病)については以前の『# 3 : 大腿骨頭切除術 / 【若い小型犬で多い、後肢の痛み】 レッグ・ペルテス病(大腿骨頭壊死症)』でも説明させて頂きました。
- レッグペルテス病は後ろ足の大腿骨頭に血液供給がいかず、骨頭が壊死してしまう病気です。
- 激しい痛みを伴いますので、ワンちゃんは足を上げて歩く・ビッコをひく・触られるのを嫌がるなどの症状が出ます。かばって歩くため患肢の筋肉は萎縮してしまいます。
- レッグペルテス病は生後4~11ヶ月(特に6~7ヶ月)のトイ犬種などの小型犬で発症しやすいと言われています。
- 治療は壊死した大腿骨頭を外科手術で切除します。
今回の症例は、生後7ヶ月の小型犬のMix(マルキー×トイプードル)です。当院のトリミング時に飼い主さんから寝起きに左足を上げる事があると言われ、触診で右後肢の著しい筋肉の萎縮が認められたため、レントゲン検査をさせて頂きました。
レントゲン検査ではレッグペルテス病を疑う像(ピンク丸)が認められました。また反対の足に比べて筋肉量が少ない事がわかります(黄緑矢印)。
飼い主さんと話し合って外科手術で壊死している骨頭を切除させて頂く事になりました。
大腿骨頭切除術
切除した骨頭の写真です。骨頭は脆くなっていて、一部は割れていました。
骨頭切除(黄丸)した後のレントゲン写真です。
病理検査の結果はやはりレッグペルテス病でした。骨の壊死部は完全に切除されていたので一安心です。病変の取り残しがあると痛みが継続してしまいます。
術後の歩行も順調に改善してきています。
今回の症例は診断してから手術まで2週間ありましたが、その間に症状はどんどん進行して手術当日は常に患肢を挙上している状況でした。
レッグペルテス病は激しい痛みを伴う病気です。成長期の小型犬の歩き方がおかしい場合はなるべく早く動物病院を受診してあげて下さい。
獣医師:林 敬明
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