# 77 : 犬の断指術 / 【腺扁平上皮癌とメラノサイト腫瘍の衝突腫瘍】
犬の指先にできる腫瘍は扁平上皮癌やメラノーマができやすいと言われています。両方の腫瘍とも残念ながら悪性腫瘍(癌)です。
今回の症例は16歳のミニチュアダックスフンドです。
右後肢の爪の向きがおかしく、気にして舐めているとの事で来院されました。
レントゲン検査では右後肢の第三指の末節骨の骨融解(赤丸)が認められました。
他の爪の根本と比べると骨が溶けているのがわかります。
骨融解は感染でも起こりますが、腫瘍の可能性が高いです。
抗生物質の投与で症状の改善はなく、骨融解の進行と症状の悪化が認められたため断指手術をさせて頂く事になりました。
断指術
手術は皮膚切開、中指の中足骨-基節骨の関節の脱臼・切除、止血、縫合を行いました。
病理検査の結果は腺扁平上皮癌とメラノサイト腫瘍の衝突腫瘍との事でした。腫瘍は完全切除されていて、脈管への浸潤も認められませんでした。
今回切除した第三指は体重を支える大事な指なので、断指後に運動機能障害が出るとも言われています。しかし今回の症例は痛みが取れたおかげでしっかりとした足取りで歩いてくれました。
まとめ
愛犬の指先や爪の変化(指先の腫れ・爪の向きや色)に気づいたらなるべく早く動物病院を受診してあげて下さい。
獣医師:林 敬明
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