# 96 : 猫の仙腸関節脱臼整復手術 / 【強い衝撃により脱臼した仙腸関節】
仙腸関節は、骨盤の「腸骨」と背骨の「仙骨」をつなぐ関節で、後肢からの力を体幹へと伝える重要な役割を担っています。この部位は非常に強靱な靭帯で支えられていますが、強い衝撃や外力が加わることで脱臼を起こすことがあります。特に猫では、高所からの落下や交通に関連するアクシデントにより生じることが多いとされています。
今回ご紹介する猫も、外での思いがけない出来事をきっかけに、後肢の動きが不自由になり来院されました。
来院時、後肢に力が入らず、歩行が困難な状態でした。レントゲン検査を行ったところ、左右の仙腸関節に脱臼（赤丸）が認められました。
関節の整復と安定化を目的に、手術によって仙腸関節の固定をさせて頂く事になりました。
仙腸関節脱臼整復手術
術後のレントゲンです。仙腸関節のをスクリューで固定しました。
手術後の経過は非常に良好で、時間の経過とともに後肢の機能も回復し、現在ではスムーズに歩行できるようになっています。
まとめ
仙腸関節脱臼は重度の外傷により起こることがあり、早期診断と的確な整復手術により、良好な回復が期待できます。
獣医師：林 敬明
この内容は2025年4月時点の情報です。
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